アラブを母国とし、砂漠をこよなく愛したT・E・ロレンスの波乱の半生を描いた名作中の名作。何度見ても、その度に感動してしまう!
自らのアイデンティテイを砂漠に求める、ロレンスの栄光と挫折を描いたこの作品はデヴィッド・リーンの映画芸術の集大成であるだけでなく、多くの映画ファンにとっても忘れられない作品だと思う。
雄大なスケールの大きさでは映画史上他に類をみない作品でもある。1962年の初公開当時の上映時間は3時間42分。
通常のビデオでは3時間7分の短縮版。
1962年度アカデミー賞作品賞、監督賞、撮影賞、美術監督賞、音響賞、編集賞、音楽賞、全7部門を独占。(226分)
製作=サム・スピーゲル 監督=デビッド・リーン
原作=T・E・ロレンス 脚本=ロバート・ボルト
撮映=フレディ・A・ヤング 音楽=モーリス・ジャール
出演=ピーター・オトゥール アレック・ギネス オマー・シャリフ アンソニー・クイン
考古学者のロレンスは軍の指示でアラビア軍を率い、
奇跡の勝利を重ねる。
(十字軍の戦闘方法をなぞる下りや、オマー・シャリフ
演ずるところのアリとの交流は砂漠という背景のせいか
それは、それは印象的でありました(ほう、うっとり))
史実を基にロレンスがただの英雄でなく矛盾を抱えた複
雑な人間として描かれているのが切ない。
自己との葛藤。
婚礼の衣装を身に纏ったロレンスの美しいこと!!
初めて人を撃ち殺した時の彼の顔が忘れられない・・・
ロレンス役のピーター・オトゥールの狂気を孕んだ、ど
こまでも蒼い瞳に魅せられてしまいました(笑)。
女性が一人も登場しないというのも凄い話ですよね?
全編を通してここまで、砂漠をこの映画以上に美しく捕
らえた作品は他に存在しないのではないでしょうか?。
砂漠のシーンはまさに圧巻、そしてモーリス・ジャール
の音楽が実に素晴らしい。
この映画に魅せられて、知恵の七柱を読み、果てはコー
ランにまで手を出してしまいました(笑)。
ピーター・オトゥールは、私の一番好きな役者です(笑)。