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ベニスに死す

MORTE A VENEZIA (DEATH IN VENICE)
原作=トーマス・マン(ベニスに死す) 
製作総指揮=マリオ・ガッロ、ロバート・ゴーッドン・エドワーズ
制作=ルキノ・ヴィスコンティ
脚本=ルキノ・ヴィスコンティ,ニコラ・バダルッコ
撮影=パスクァーレ・デ・サンティス
音楽=グスタフ・マーラー(交響曲第三番・第五番) 
出演=ダーク・ボガード シルバーナ・マンガーノ
      ビヨルン・アンドレセン ロモロ・ヴァッリ
      マリサ・ベレンスン 
 

1911年ベネチア。ドイツの有名な作曲家グスタフ・アシェンバッハ(ダーク・ボガート)は
静養のため水の都に来ていた。リド島の海浜ホテルのサロンで、ポーランド人の家族に囲まれ
た十四才のタジオ(ビョルン・アンドレセン)の透きとおるような美貌と、しなやかな姿態に
彼は心を奪われた。ギリシャ彫刻が生きずいているかのような美しさ。芸術家として美の極致
を追求してきた彼は、いつしかダジオへの募る思いを押さえることが出来なくなっていた。
アシェンバッハの熱い視線にタジオも気づきはじめていた。
老醜の我が身への自己嫌悪、若さへの憧れ、アシェンバッハはたそがれの街ベニスにタジオを
追い求めた。やがて水の都に疫病が蔓延し、アシェン・バッハもコレラにかかってしまった。
タジオがホテルを引き上げる日、波打ち際で遊ぶダジオの姿を見つめながら、彼は静かに息を
ひきとっていった。

ルキノ・ビスコンティが、トーマス・マンの小説を映像化した秀作です。
原作では主人公が小説家になっていますが、映画では実在したマーラーを彷彿させる作曲家に
し(グスタフ・アシェンバッハのグスタフは、マーラーからきているのでしょうね)彼の交響
曲第五番が効果的に使われています。
初っぱなから、なんとも言えない旋律が船上のアシェンバッハの憂鬱を物語っている、見事な
幕開けだと思います。本当は静養なんてしたくない音楽家の心情がダジオに会った事で、一瞬
で変化する、この描写は絶妙ですっ!!沈んでいた心が生き返る、老いらくの恋なのでしょう
そして、タジオはアシェンバッハが自分に気があることを本能で察知するのです。
「見たきゃ、見ればいい」そう言いたげに自分をつけ回す男の醜悪さを暴こうと、ついには
振り返るのです。このなんと小悪魔的なこと!!
ダジオがつま弾くピアノのメロディに、過去に一回だけ買った娼婦を思い出す処に、アシェン
バッハがダジオに向ける愛の種類をほのめかしていてドキドキしました(笑)
しかしながら、老いとは残酷なものなのですね・・・。
 
ダーク・ボガートのほとんどセリフのない、内面的な名演技、ビョルン・アンドレセンの美少
年ぶり、ともに大変評判になりました。
ダジオ役のビヨルン・アンドレセンはこの映画のあとスクリーンを遠ざかって消息は判りませ
んが、コレ一本でいつまでも心に残るスターですよね?(ベニスの前に「純愛日記」ってゆー
ので、ちょっと顔を見せていました。)1955年1月26日、ストックホルム生まれ、早くに両
親を亡くし祖母に育てられました。ストックホルムの音楽学校在学中にビスコンティが見そめ
ダジオ役を与えました。この時彼は15才でした。日本にも1971年9月に来日しお菓子のCM
にも出たのですよ!!上の彼の写真は当時マルベル堂で私が買ったブロマイドです(爆笑)。

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