今までのあらすじ

 
  母親がレイプされ自殺したという過去をもつ主人公夏目ヒロ。
  彼は以来「タスケテ」という言葉に過剰反応し、喘息の発作を起こす神経
  症を病んでいた。彼の兄テツもまた、通っていた学校でリンチにあい、強
  姦され自殺した。「ヒロ タスケテ」と埋め尽くされていた日記。
  ヒロは、テツの「死の理由を知るため」自分も同じ学校を受験した。
  ヒロは入学早々リンチにあってる少年、ホタルを庇うが、それを影から見
  ていたもう一人の人物がいた。それは二年の押川理イ火だった。
  理イ火は学園に存在する特権集団、サロンの幹部で飼育係だった。
  リンチだとばかり思っていた行為が、実はサロン入会の儀式だと知り愕然
  とするヒロ。サロンとは暴力と性欲をコントロールする身分制度(システ
  ム)であったのだ。サロンの儀式(ホタルに対する性的リンチ)を邪魔し
  たのに何の制裁も受けないヒロは一般の生徒からの嫉妬をかっていた。
  そして遂にヒロにたいするリンチが静かに始まった。口の中にボルトをつ
  められ殴られたのだ。なにくわね顔でヒロに近づくマキ、彼はサロンのA
  (エース) 図書係・宮前の息の掛かった、ジョーカーであったのだ。
  忍び寄るジョーカーの魔の手、ヒロもまた思わぬリンチを受ける事になっ
  たのである。その夜理イ火もレイプされそうになる。先端恐怖症の為、指
  先を突きつけられただけで動けなくなってしまうのだ。
  儀式の中断により、サロンの後ろ盾を得られなかったホタルはJ(ジャッ
  ク)達の手で「許可ないリンチ」の標的にされたいた。ホタルと共にヒ
  ロも監禁室に閉じこめられてしまうが、理イ火よって助け出される。理イ火
  の側にいたいと、願ったホタルはその思い故に、過酷な試練を受けること
  になり、ついには壊れそうになってしまったのである。
  理由の判らない「力」に追いつめられていくヒロは、自分の無力さに打ち
  ひしがれてゆく。しかしそのリンチは、全てサロンが仕組んだ事だったの
  だ。
  ヒロとテツの関係を知っている様子の、会長ジルはじめサロンのA(エー
  ス)達。彼等はヒロをサロンに入会させ、彼の中に宿るテツの弟としての
  危険性を封じ込め、自分たちの管理下に置こうとしたが、その中の一人、
  理イ火だけはヒロをシステムに入れたくないような気配である。
  理イ火は、リンチによりサロンを嫌悪させ、システムの管理下から遠ざけよ
  うとした・・・・・。
           
 
 

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